英語は「ア」には凝っている。
「ae」(ほんとうはくっついているが)という発音記号で表される「ア」がある。これは開いた「ア」の口のまま「エ」と言え、というのが教科書どおりの発音だ。頬に指を当てて動かないように。
日本人は中間的な母音の発音が苦手だ。「アイウエオ」の5種類でしか母音を認識しないので、発音もそうなっているからだ。苦手な場合は、「ェア」と言うと大体通じるのだが、二重母音ではないので、あまり極端にはやらないほうがいい。単母音なのでできるだけ一発で発音したほうがきれいだ。後ろに有声音がくる単語の場合は、そうでない場合に比べてやや長く発音する。
この音はおそらく厳密に「ア」ではない。孤高の存在だと思う。リスニング教材でこの音を強調されると、他のどの母音とも似ていない。「エ」に分類してもいいのかもしれない。
「明るいア」。指が3本口に入るくらい明るいア。αみたいな発音記号のものだ。この発音は非常に簡単で、明るくアといえばいい。イギリス英語のtomatoだ。
「やる気のないア」。アルファベットのeが上下ひっくり返ったアだ。この音は、常に弱く発音される。これはくぐもった発音であり、口を開けない。一応「ア」と発音するが、息も沢山でない。よく、あいまい母音という名前で呼ばれる。
この音の特徴は、くぐもっているために「ア」にも聞こえれば「イ」にも「エ」にも聞こえるということだ。observeのo はこの音だから、日本人は弱く「オ」と発音するだろう。beutifulのiもこの音で発音されることがある。要はアクセントのつかない単母音はこれで発音されるか、この音で発音しても通じることが多い。リスニングにおいては聞き漏らすこともある。
この「ア」は、長母音として長く延ばされることがある。learnが代表的だ。この場合は、はっきりと音が聞こえる。
「普通のア」。発音記号で ^ のように書かれるアである。日本語の「ア」と良く似ていてあまり大きく口が開かない「ア」である。発音ははっきりしていて、butとかcupとかのアである。多分、日本人が普通に「ア」というと、この音にとらえられる。
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